EOS-1Dsという古いカメラ

EOS5Dをシャッター交換などの修理に出している間に(フルサイズセンサーの)カメラが不在になるのを避けるために急きょEOS-1Dsという古いカメラを買ったのですが、先日の仕事で初めて屋外で使ってみました。
性格の異なる機械を使うのはいろいろ新鮮です。複雑だと思って敬遠していた旧型のEOS-1D系の操作体系も実は10分も触っていれば馴染んでしまうもので取り扱い説明書を読まなくてもほとんどすべての機能と操作がわかりました。(説明書を読んでいないので気づいてない機能などもあるかもしれないけれど、必要となる機能はすべて使えて、画面上に出てくる設定はすべて自分の任意にカスタムできている状態。)シャッタータイムラグ55ms(ミリセカンド)とされるレスポンスにより、非常にリズム良く撮影することができるのはEOS5Dとは段違いの性能です。ファインダーはEF50F1.4使用時に非常識なほど大きくタル型ひずみしています。これは5Dのときと違います。(5Dはファインダー自体はわずかに糸巻き収差らしい)標準のスクリーンでの見え具合は明るくていいのですが、5D+Ee-S(ピント優先のスクリーン)に比べるとMFの判別精度が劣るようでピンぼけ写真をEOS-1Dsでは撮ってしまいました。ミノルタのスクリーンを改造して入れる、などのことをする人が出るのは仕方ないのかも。AFは合焦の判定がもたつく古い1D特有の遅さなので、私の場合はMFで撮りたいのですが、、、なにか良い社外製のスクリーンがあるのかな。
画質は本体が生成する画像そのものは現代のEOSデジタルとまるで違って当時「素材性を重視」などと言われた眠い画像です。今ではワークフローが変化して今時求められていない限り素材性重視の画像は必要ないので、基本的にRAWで撮影してDPPでピクチャースタイルを使って現像します。ピクチャースタイルを使うということは2008年なりの解釈・技術で2002年当時に発売されたEOS-1Dsのデータを味わう、ということになります。独特の味わいなどがある、という評判だったEOS-1Dsで期待はあったのですが、実際最新版のDPPで現像すると、DPPというか「ピクチャースタイル」という概念が本来狙っているとおり、機種間の絵の違いというものが見事に吸収されて実は違和感なく複数機種のデータを混在して時間順に並べて納品することすら出来てしまうことがわかりました。わずかに違いはあるのですが、仕上げ調整の範囲内のことです。上の花の写真ではあえて同じ現像パラメーターでやったのでわずかに違いが出ています。しかしほとんど同じに現像することも可能です。ちなみに5Dの忠実設定が色飽和しにくいように逃げているのに対して、1Dsの忠実設定が色飽和を恐れないような大胆な設定になっていることがわかります。こんなときには5Dは「スタンダード」にして赤をもっと飽和方向に鮮やかに仕上げたほうが画像単体の印象としてはいいと思います。しかしそのように調整の範囲内のことであり、機種の違いというものはうまくDPPの中で吸収されているため、このカメラでないと撮れない描写、みたいなのはこの日のテストでは無かったです。別の日にスタジオで人物を撮ったときは肌色の表現の違いがありました。これもわずかな違いであり、たとえばダメなライティングを救済するほどの威力は、、、、なさそうです。しかし好印象ではありました。(人の肌の場合、本当にケースバイケースでいろいろあるので、まだまだ試してみないとわかりません。)
EOS-1Dsで期待していたのはシャドー部分の中での色再現の問題でした。優れているという意見があったので期待は大きかったのですがいざ撮影してみるとシャドー部分に低感度(ISO100)なのに緑色のノイズが多く発生。。。金のアクセサリーだったのですが、シャドー部分が残念なことに緑まみれに。。。(注:その画像を投稿しようと思って自宅ノートPCで開いたら、、ノートPCの液晶の表示色域ではその緑色が見えないことがわかりました。従って投稿しても見えない環境が多いと思われるのでやめました。その緑色はプリンターAでは大量に出て、プリンターBではあまり出ません。なんてこった・・・。)
最後に忘れていたけど肝心なことがありました。2002年に発売されたEOS-1Dsには撮影時にカメラが縦横どっちだったのかを画像に記録する機能がありませんでした。3000枚撮影した日に、3000枚の画像の縦横を後処理しないといけません。それは(知らなかったので)さすがに堪えました。
フィーリングの違うカメラを使うのは気分転換になるし、とにかくフィーリングが良いのでぜひ今後もEOS-1Dsを使い続けたい気持ちもあるのですが、、、、ちょっとカメラとしてクラッシックに過ぎる部分もあって使いづらく、私の使い方の中ではちょっと合わない部分が(残念ながら)多いみたいです。だけど趣味で楽しく撮影するためにこのカメラ(に限らずEOS-1D系ならどれでも)を使うのは悪くないと思います。ファインダーが大きくすがすがしい、そしてシャッターを押した時に「かしゅぅ」という昔のフィルム時代のEOSを思い出す懐かしい音とともにわずか55msのタイムラグでシャッターが下りて、わずか87msの像消失時間でファインダー像が再び見えるようになります。うらやましい基本性能です。
EOS-1n かしきゅー
EOS-1Ds かしゅぅ
EOS-5D んぱこん
EOS-30D ぱくっ ぱくぱくぱくぱくっ
EOS-1D mark3 だだだっ だだだだだだだだっ
EOS-1Ds mark3  たす たすたすたす
やっぱり最新型のEOS-1Ds mark3が使いやすそうで使ってみたいです。ただし本体が約80万円もするので年間の売り上げが2000万円に到達するまではそのような高価なカメラの購入は控えようと思っている私・・・・でした。

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