田原総一朗の遺言

さきほどかなり衝撃的なテレビ番組、
BSジャパン開局10周年記念番組:「田原総一朗の遺言 ~タブーに挑んだ50年!未来への対話~」:10/23(土)夜9時放送:
を見ました。
ものすごくとんがった番組で、ツッコミどころ満載すぎるのですが笑、
(1)田原さんが私の作ったドキュメンタリーはすべてやらせ、と豪語する
(2)とんがった、偏った番組じゃないとダメだ的発言
(3)盗撮はしない、カメラとの関係性、化学反応が大切
(書き方は適当、私の言葉に置き換えています)という論点が一番心に残りました。
「偏った番組がつくりたいのに、偏っていたらダメだ、って局から言われても困る」みたいな発言も面白かった。たとえば小沢さんがシロだ、という番組の中に、クロじゃねーの、って疑問をはさむ人を必ず入れるのが今のテレビの作り方、しかし田原さんは徹底的に偏った主張の番組が作りたかったと。これはかなり新鮮でした。最近は偏り感が怖い、怖いとばかり思ってなるべく中間中庸をと思っていましたが、まあいろいろあるけどアートの世界では明らかに偏った者の勝ちなわけですね。そういう意味で田原番組にもアートを感じるのはなるほどそうなのかもしれません。
自分の作ったドキュメンタリーはやらせ、ってのは、自分以外のすべてのドキュメンタリー番組にも制作者の意図に基づく演出的要素が入るものである、ということを意味していると思う。素材も編集も所詮演出、なにを駆使しても、最終的に伝えるべきもの表現したいもの、自分の中の真実に迫れ、ということだろうと私は思いました。
カメラを向ける、それ自体が化学反応を生み出す、という森ディレクターの話は、スチルのカメラマンとしての私が使えるなぁと思いました。カメラの存在がこの場において邪魔だ、透明人間なら良いのに、って思うことがたまにあるけど、それは盗撮。そういえば動物にゆっくりゆっくり近づいていって近接で撮るというスタイルの動物写真家の人の番組を見たけど、あれは野生動物に対して全く隠れてなくて、自分もいち動物としてその空間、水飲み場に居させてもらい、撮らせてもらうという立ち位置だったと思う。カメラを向ける、という行為についての自己イメージをあらためて設定してみたい。発想を柔軟にしていくと、写真ももっともっと、いろいろ出来るなぁと思いました。それは撮影技術、みたいな一般的なテクニックの問題ではなくて、人間や風景との関わり方、表現の中身についてですね。踏み込んでいけたらいいなと思いました。(写真は特殊な方法で裸眼立体3Dに見えるようになっています。)
(Unconfirmed scenery optimizer=uso方式)

田原総一朗の遺言」への4件のフィードバック

  1. あの方はテレビ東京時代から破天荒なテレビ番組つくりで勇名だったらしいですね。あ間違った、有名だったらしい。
    私はテレビ東京の他社の真似はしない独創的な番組作りが大好きで各局の中では一番見ています。
    田原さんの時代からず~っと精神性は貫いているようですね。破天荒すぎて当時のことは今では法律的にも問題があるでしょうからやれないでしょうけど。
    現在BSで持っている看板番組も録画番組にも関わらず、1時間の放映で収録も1時間と決めているそうです。あの方のポリシーですね。
    その番組私も見たかったなぁ~。
    で、投稿された写真は具体的にはどのような処理でしょうか?

  2. Orca様、そうです、まさに破天荒なドキュメンタリー作家だった、ということを番組で知りました。参加全員が全裸のウエディングパーティーで、田原さん自身が花嫁とセックスをするというよくわからないドキュメンタリーもちょっと紹介されていました。すごいクリエイティビティーだと思います。
    あ、裸眼立体3Dについてですね。すみません。uso方式というところそのまんまローマ字で読んでください。。。_m(..)m_しかしこれと、この下の日記の写真が全体的に立体写真みたいな感じがしたのです。自分がいつもこだわっているのはもしかしてこれだったのかな、、と気づいた瞬間でした。

  3. ノーカットで観られる!、と期待したのですがダイジェストでしたね。
    でもオモシロかったです。放映時に観られたとしても、
    当時オモシロさ解らなかったでしょうねwww

  4. まるめ様、ダイジェストでしたね!笑 しかし当時は平気だったけど今は放送禁止用語の言葉(キチガイ、など)が炸裂してました。あんまり当時そのまま生々しいのも怖いですね。
    しかし、「この表現は無理」みたいなあきらめとか、自主規制的に制約していることが、表現を勝手に自ら矮小化しているのではないか、というのは危機感として持ったほうがいいですよね。ジャーナリズムとは、というものを考えるとても良い材料になりました。

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