フォトイメージングエキスポに行ってきた。昨年は一日では見きれなかったと感じたので今年はホテルまで予約して(!)一泊二日で行ってきました。いろいろ発見したり思ったりしたことをメモ。
<キャノン>
注目のEOS-1Dmark3は会場到着前に銀座のショールームで触ってきた。フォトイメージングエキスポの開場時間に銀座ショールームでカメラを触っている人は他にいなくて(笑)閑散としていたのでmark3にじっくり触れた。操作方法は今風に洗練されていて、取扱説明書を見なくてもすべての操作ができる。ライブビュー機能はやっぱりすごいしその操作感が予想以上に洗練されていた。ライブビュー時のレリーズではタイムラグがあるはずなのだが、そもそも高速なmark3の動作ゆえ、ほとんど気にならないくらいほぼリアルタイムでシャッターが切れてしまったのは驚いた。未来から来たカメラみたいだと思った。キャノンブースでは新型のズームレンズEF16-35mmF2.8LIIとEF14mmF2.8Lの超広角レンズ比較をしてみた。実は新型ズームはもちろんなのだけどEF14mmを体験するのも初めて。14mm単焦点は9万円のシグマ、15万円のタムロン、22万円のキャノン純正(価格は適当)とあってやっぱりキャノン純正にとどめをさすのかなと思って想像していたのだけど、ぱっとのぞいた感じの印象では、、、期待のEF14mmだったけど「古いレンズ」と感じた。少なくとも全く使いたいと思えなかった。それにくらべて新型のEF16-35mmF2.8LIIは格段の進歩をとげていることがすぐにわかった。17-35mmF2.8L/17-40mmF4L/16-35mmF2.8L(旧)のいずれもボクの中では変なクセのあるレンズで、超広角撮影はEF20mmF2.8に勝るものはない、というのが持論だったから、今回の新型ズームはそんなボクのヒエラルキー感を崩す待望の新型?といえそうだった。(とはいえ、20mmがあればあまり困らないのでそんなに欲しい気もしないのだけど・・・)
<シグマ>
シグマブースでは新型一眼レフのSD14の動作モデルが展示されていて自由に触れた。デジカメwatchの西川さんのインプレで画像のレビューが遅いと指摘されていてそこを見てみたのだけど、展示されているモデルは別に普通に表示できるモデルだった。「ちゃんと普通に動作しているじゃん」と感じたが、画像の見え方などは安っぽく、なんとなく試写の手応えとしては冴えなかった。なんとなく「やっぱりシグマのデジカメだな」と感じる仕上がりだけどシグマに限る!というような気合いの入ったユーザー(希少)には待望の正常進化モデルだと思った。シグマブースでは気になっていた12-24mm超広角ズームをせっかくなので見せてもらった。自分のカメラにつけて試写して良いとのことなので撮ってみる。思っていたよりも使い心地が良い!AFが静かでスムーズでディストーションの補正もよく効いている。これなら確かに多くの人が使うはずだ。しかし画面端に人物が入ると引っ張られるように変形してしまう。キャノンの純正超広角ズームでもEF-S10-22mmを筆頭にぜんぶそういう特性があり、仕方ない特性ともいえるのだが、こういう気持ち悪い写真は仕事でも遊びでも撮りたいと思わない。新型のEF16-35mmF2.8LIIではその傾向が初めて弱まったので、やっぱりボクはそっちだなと思った。
<フェーズワンブース>
プロ用(一般の人はまず使わないのであえてそういえる)のデジタルバッグ関連のフェーズワンのブースでは湯浅さんがフェーズワンの現像ソフト(キャプチャーワン)を勧めるプレゼンテーションを行っていた。会場の隅のほうで地味目に?やっていたのにも関わらず、ちゃんとそれらしい人達が熱心に聞き入っていたし、とてもマニアックで面白く、湯浅さんのアイディア&工夫などが披露されていて良いプレゼンだった。当たり前だけど、キャプチャーワンの現像結果は湯浅さんがやってもボクがやっても同じ傾向でやっぱりボクの好みの日本人女性の肌色処理はDPPなんだよなー、と思いつつ、アナザーカットとのオーバーラップでの直結撮影の機能はキャプチャーワンにしかないのでそれを使いたい場合は素直に10万円(!)支払って使うコトになるのでした。(汗)フェーズワンブースでは go relax E moreによる撮影デモンストレーション(パフォーマンス)もやっていました。ファッションフォトグラファーのお仕事現場公開!みたいな感じで面白かった。まあ本当の現場はあんな風なノリだけの撮り方のはずはないと思うのだけど(笑)まあとにかく go relax E moreの撮影現場がああやって目撃できたのは面白い。
<ケンコー>
ケンコーのブース(だと思う)ではプロカメラマンが新発売のカラーメーターと露出計を実際に使いながらの撮影デモンストレーションをやっていた。タングステン色の定常光でライティングが組んであって、プロカメラマン氏が実際に計測。3400K/ISO400/F4/125という撮影設定を親切にみんなに教えてくれています。ところが、、、、ほとんど全員がその指示を無視していつも通りカメラ上の小型ストロボを光らせて「普通に」モデルを撮影していました。(笑)しかし講師のプロカメラマン氏が偉いと思ったのはそのような愛好家の方々に「きみたちせっかくライティング組んであるのにしかも色温度も教えたのになんで小型ストロボでとってんだよ!」とか怒りもせずに淡々と「ストロボお使いの方はどんなミックスになるのか様子をみながら撮ってみてくださいねー」なんて軽くあしらっていて、「うーんさすがだ!」とボクはそこに妙に感心しました。
ブースで公開されていた新型のカラーメーターを実際に触らせてもらったら、なんと(やっぱり)ミノルタのカラーメーターとちょっとデザインのテイストが違うものの、液晶表示も操作方法もまるっきり同じ製品でした。これならミノルタ製に親しんできたプロも違和感なく使える!(笑)「なんでこんなにミノルタと同じなんですか?」と聞いたら「いえ、これはケンコーの独自開発で金型からちゃんと起こしています、、、まあ大人の事情もあり(ぼそぼそ)」という苦しそうな回答。(笑)残念だったのがケンコーで国産だから安く!という期待を完全に裏切っていたこと。しかもミノルタと同じなので設計思想が古く、デジタル撮影用に使うカラーメーターとしては明らかにゴッセンの製品のほうが使いやすい。この勝負、ゴッセンの勝ち、ということで終了。
<マミヤ>
マミヤのブースには待望のZDバックが動作モデルとして展示されていました。価格はオープンプライスということだけど聞いてみるとどうやら100万円を切る画期的な価格を実現しているようです。ただしバックタイプのカメラのトレンドはライブビューでの使用に移行して来ているのは確実なのでライブビューのないZDバックはなんとなくもう古いような気もしてしまいます。(だけど安いから許される。)マミヤのプレゼンステージではレボントの田中さんがZDを使った非常にマニアック(というかプロ対象の内容の)実演を行っていました。田中さんの細かいこだわりには驚きました。悪く言えばガチガチにアングルからライティングから自由度がまったくない、こんなセッティングとか撮り方があるのかとカルチャーショックをうけました。いややれば「可能」とはおもえど、実際の営業の現場で「振り返りのポーズ限定のこのセット」みたいなのを用意して撮れるとしたらすごい・・・・。田中さんによるとZDであればハイライトとシャドーのダイナミックレンジの(危うい)限界(境界)まで使いこなした従来のデジタルにはできなかった高度な表現が可能、とのことで少し興味が出ますね。
<セミナー全般>
4Fでセミナーを各種やっていた。ボクが2日間もフォトエキスポに予定を入れたのはセミナーをあれこれ見てみよう、というつもりだったのだが、、、実は当てにしていたセミナーの内容&レベルが想定外で、(ボクにとっては)つまらないものだった。そこはがっかり。
<中小の規模の展示>
主にプロ向けの中小規模の展示コーナーではいつも面白いものが発見できたりするのだけど、これも年々縮小の傾向。銀塩→デジタルへの転換の中で体力が尽きてしまったような会社が多い気がする。とはいえデジタル系(IT系)のよくわからない企業の展示も今回は少なかった。プロ向けには別に展示会(IPPF?)が復活するのだろうか?だったらいいけど、、、。
<愛好家の熱意>
今回かなりボクのハートを熱くしたのは会場にカメラ機材を持ち込んであれこれ熱心に撮影されていた人達の熱意でした。報道のカメラマンみたいにブラケットでストロボを装着しておねえさんに声をかけたりして楽しそうに撮っています。普段忙しくてあまり撮影の機会がない人はこういう場所ではあそこにもここにも写真を撮らせてくれる美人女性が立っていらっしゃるので「チャンス!」です。装備的にはプロとアマチュアでは区別がつかない場合が多いですが、プロカメラマンが会場のおねえさんを楽しそうに撮影することは(そういう仕事は)あまりないと思われるのでそういう動き方で判別ができます。
<カメラマンの振りかぶり>
今回発見したこと。プロカメラマンが撮影を開始するときにやや大げさに「振りかぶる」しぐさを見せるときがあること。撮影にむけて集中していく様子が背中からバチバチに感じられてオーラを感じて格好良かった。ボクも真似して「さて撮るぞー」みたいに気合い入れて撮ろうかなー。
<新宿から国際展示場までの距離>
今回宿泊したのは知人が経営する新宿のホテル。行き先が東京ビッグサイトなのになんで新宿なのと言われそうですが、要するにお友達価格で猛烈な安価で泊めてくださるのでご厚意に甘えまして。でボクは初日お台場方面だからなとうっかり「ゆりかもめ」に乗ってしまったのですが、、、、ボクが東京で生活していたのはもう5年前になるのですね。今や国際展示場に行くのにゆりかもめを使うってのはあり得ないんですね。「はっ!」と思ってiモードで検索するとやっぱり出てきた「りんかい線」。驚いたのは新宿から国際展示場に行くためは「埼京線に乗る」という強烈な違和感。「埼京線の新木場行き」が新宿から大崎まわりで、、、?っていうのがボクにはすぐに理解できなくて(笑)その後今回どこに行くにもiモードで検索してから動きました。ちなみに新宿から国際展示場までの所要時間はなんと28分。帰路。佐久平駅にあさま号がすべり込むと、やっぱり元気いっぱいの丸顔の男の子とママが出迎えてくれていました。一晩不在だっただけで大騒ぎで「歓迎」です。夜携帯で話したとき「とうきょう?とうきょうってなに?」と彼は尋ねていました。次に家族で東京に行くときは必ず随所で「東京はすごいねー」などわざと会話に織り交ぜていこうと思いました。(笑)